クローバーの独り言
新.三.銃.士の感想とかお話もどきを気儘に書き綴ってます。 Copyright ? 2010- Koufuu Biyori All rights reserved.
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遠い背中 ~第36話~ コンスタンス独白
乾いた声が聖堂内に響いた。
「誰も愛せない」
くぐもった声は、私の心を散り散りに引き裂く。
ひび割れた心の叫びは頑なな背中に宿り、近寄ることさえも一切赦さぬ決意が私に向け放たれる。
貴方の深い苦しみは、私にとっても同じこと。
貴方の罪の意識は、私にとっても神から赦されぬはず。
あの時、お互いの心を行き交った想いは・・・・・・幻影だったのでしょうか?
それとも私ひとりだけが・・・・・・一人芝居を演じていたのでしょうか?
アラミス様、覚えていらっしゃいますか?
私が、どれだけ貴方に勇気付けられたことを。
私が、どれだけ貴方に生きる力を与えていただいたことを。
私が、どれだけ・・・・・・どれだけ貴方を愛しているのかを。
貴方が心を閉ざす分だけ、私の想いは行き先を見失い、
このまま永遠に流離い続けるかもしれません。
・・・・・・でも、私は決めました。
どんなに貴方に拒否されようとも、貴方が貴方らしくいられる場所へと
貴方を連れ戻すために、私が為さねばならぬ事を。
たとえそれが、貴方からの愛を未来永劫、失う事になったとしても。
たった一度だけ、貴方の胸に抱き寄せられた記憶は、今もこの胸に刻み込まれています。
そしてそれは、私が命を終えるまで決して色褪せることのない想いとなって
私の胸にずっと息づいていくのです。
今はまだ遠い背中。
けれどいつか、その背中が振り向いてくれる日を待ち望んで・・・・・・
私は私の愛の証を、貴方に捧げ続けます。
この命、果てる時まで。