忍者ブログ

クローバーの独り言

新.三.銃.士の感想とかお話もどきを気儘に書き綴ってます。 Copyright ? 2010- Koufuu Biyori All rights reserved.

[42]  [41]  [40]  [39]  [38]  [37]  [36]  [35]  [33]  [32]  [31

[PR]

×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

予兆 ~第11話より~

本編は、どう転ぶか分からない状況で
進むも地獄・戻るも地獄の展開をようしてきておりますが、
少しでも気持ちを落ち着かせたくて書いてみました。

第11話での、下宿での酒盛りシーンから

★Web Clapありがとうございます!

「また相談にのって下さい」

遠慮がちに話す声の向こう側で、薄桃色の眸が揺れる。
どこか儚げな色は、彼女が人知れず隠している本当の姿が、
密かに滲んでいるようで。

聡明だからこそ、現在まで文句一つ言わず立ち居振舞ってきたであろう姿が、彼女の淋しげな微笑と重なる。

賢明であろうとするが故に、自らの心を押し殺してきたような大人びた態度は、彼女本来の姿とは反するものであるだろうと、容易に察せられる。
彼女と同じ年頃の女性達が華やかであればあるほど、逆に引き立ってしまうような清楚な佇まいの影で、一体どれだけ涙を流し続けてきたのだろう?

淡々とした口調で語った身の上話が、何故か心から離れない。
彼女自身が納得しているなら、それだけで済む話。
他人がとやかく口を出すものではない。
ましてや夫婦のなれそめに口を挟むなど言語道断。
よくある類の話と受け流せば、それまで。

・・・・・・しかしあの瞬間、胸を過ぎった微かな苦味。
あれは、一体何だったのか・・・・・?


「よろこんで」


私の言葉を聞き終えたと同時に、僅かに綻んだ表情が目に焼き付く。
いつも憂いを秘めた表情の奥で、ホッと安堵した気持ちがその瞬間だけ、紛れ込んでいた気がした。
人のために気を遣いすぎて、自分自身のことを置き去りにしたままずっと生きてきた彼女の、ほんの少し支えでいられるのなら、私は・・・・・・。


彼女からの問い掛けに、迷うことなく即答した自分に気付いたのは、
そうとう時間が経ってからの事だった。

拍手

PR

この記事にコメントする

お名前
タイトル
文字色
メールアドレス
URL
コメント
パスワード   Vodafone絵文字 i-mode絵文字 Ezweb絵文字

とりあえず一言! HOME ボナシューが一肌脱ごうとした理由 ~第36話~

カレンダー

02 2024/03 04
S M T W T F S
1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30
31

★まとめのつぶやき★

♪語り場♪

アラコンやパラレル、三銃士について
思う存分一緒に語り合いませんか?

お気軽にこちら から
御入場くださいね
ご来訪お待ちしております!

バーコード

ブログ内検索

忍者ブログ [PR]
Template by repe