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クローバーの独り言

新.三.銃.士の感想とかお話もどきを気儘に書き綴ってます。 Copyright ? 2010- Koufuu Biyori All rights reserved.

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最終回近辺 三銃士&ダル 旅立ちのとき

昨日に引き続いての更新です。

最終回近辺の三銃士&ダルです。
こんなやり取りがあったらいいなという希望を込めて。
よろしかったら、どうぞ!

★Web Clapいつもありがとうございます!★

昨夜から中々寝付かれず、寝返りを打つ度に身体全体が浅い眠りから覚める。
窓から射し込む月の光の傾斜を背中で受け止めながら、時間の経過を確かめる僕に夜風が背中を優しく撫でる。


こんな風にして眠れない夜も過ごすのも、久し振りかもな。


一向に眠くならない身体に半ば諦めかけ、思い切って夜空を見上げた。
いつの間にか白んできた空の片隅で、薄く棚引く雲の隙間から僕を見下ろす月影。
これから始まる夜明けに向けて、慌しく消え去っていく夜の名残は何故か嬉しそうに僕を見つめ続ける。
強く煌く星の瞬きを眸に映し込みながら、ベッドから降り立った僕を、ようやく姿を現しはじめた朝日の輝きが強く照らし出すのだった。

「おはようございます!」

「おはよう、ダルタニアン」

日課の朝の祈りを終え、まだ寝ているであろう二人を起こさぬように、一人静かに本を読み耽るアラミスさん。
清らかな朝日を浴びて、一心に本を読み耽る姿は、最初はとても近寄り難かったけれど、今となっては、この朝の光景を見る度に一日が始まるんだと、僕の意識にいつの間にか刷り込まれていた事実。
僕が気付かないところで、こんなにも自然に受け止めていた日常に、驚きと共に嬉しさが込み上げる。


こののどかな光景も、今日で見納めか・・・。


訳もなく感傷的になっている僕に突然降り懸かる声。

「おい!泣くのはまだ早いんじゃねぇか?銃士隊長さんよ!」

「えっ!?アトスさん、もう起きているんですか?僕はまだてっきり寝ているものだとばかり・・・」

驚いて声を漏らす僕に、アトスさんの反撃が始まる。
いつものように、いつもの調子で。

「馬ッ鹿野郎!お前が銃士隊長として正式に陛下から任命される朝に、寝坊なんかしていられっかよ!俺たちを見縊んなっっ!!!」

大きな手が僕の頭をガツンガツンと容赦なく叩く。
一切手加減無しに僕の頭を叩きまくるアトスさんはいつもの事だけれど、
僕を見つめる眸の奥では何とも言えない優しさに溢れていた。

「アトスさん・・・」

「心配すんなよ、ダル!こいつはお前が陛下に任命されたのを見終えてから、きっと二度寝する筈だから!賭けてもいいぜ!それとも、お前の立派な姿を見て、思わず感涙に咽び泣くアトスを賭けの対象にした方がいいかもな♪」

「では、私は感激して咽び泣くアトスの方に賭けることにしよう」

僕の肩をポンポンと励ますように叩くポルトスさんの軽口に乗じて、アラミスさんも言を継ぐ。

「お~ま~え~ら~!!!勝手に俺で遊ぶなっ」

三者三様の言いっぷりを目にして、何だか凄く気持ちが落ち着く。
今までずっとここで暮らしていたんだという実感が急に湧き上がってきて、言いようのない想いで胸が埋め尽くされる。

「おっ!?ダル、お前も泣きそうになってるぞ!堪えろ、アトスより早く泣くんじゃないっっ!!」

「違いますよッッ!これは目にゴミが入っただけです!」

慌てて否定する僕に、ポルトスさんの突っ込みが炸裂する。

「何だかなぁ~。似て欲しくないとこばっか、アトスに似てるじゃん!
ホント、素直じゃないねぇ~、君達♪」

「止めてくださいよ、ポルトスさん!!!」

「ポルトスっ!こいつと俺を一緒にするんじゃねぇっっっ!!!」

同時に放った叫びが見事にシンクロする。
それを見ていたアラミスさんが堪え切れず、クックッと小さい笑みを零す。
久し振りに見たアラミスさんの笑顔。
今、この瞬間だけは、本物であってほしいと願わずにいられない。


ずっとこの温かな雰囲気に包み込まれていたら、どんなに素敵なことだろう。
永遠に続く安らぎを与えてくれるような居心地の良さに、
いつの間にか僕はすっかり馴染んでいたんだ。
いくつもの想いを抱えながら過ごした日々が胸を過ぎっていく。

・・・しかし、僕は・・・

握り締めた拳の中に、ありったけの気持ちを込めて僕は言葉を紡ぐ。
きっとこれが僕の、銃士隊長としての最初の一歩。

「皆さん、僕と一緒にきていただきたい所があるんです」

*****

王宮を一目で見下ろす事ができる、小高い丘の上。
大木に寄り添うようにひっそりと設えられた墓は、まだ建てたばかりの様相を呈していた。
つい最近も誰かが訪れたのを窺わせるように、枯れ切っていない花束が墓標の前で静かに揺れていた。

「・・・ダルタニアン。君が誘わなければ、私達の方から君をここへ誘うつもりだった」

アラミスさんの穏やかな声が風に乗って届く。
心地よい響きの影で、まだ癒しきれていない哀しみが込められているようで。
黙ったままのアトスさんと、神妙な顔をしたポルトスさんもまた、アラミスさんの気持ちに同調しているように思えた。

「決めていたんです。陛下から正式な任命を受ける日の朝は、・・・必ずここに来ようって」

震える僕の肩に、アトスさんが大きな手をそっと置いた。
無骨極まりない大きな手なのに、何故かその温かさが胸に染みる。

「隊長はさ、湿った事が大嫌いだったから、俺たちらしくパッと明るく決めようぜ!」

「よし、一丁やるか!」

「了解!」

哀しみを突き抜けた声が青空に溶ける。

「いくぞ、ダル!・・・いや、我らが銃士隊長ッッ!!!」

アトスさんの大きな呼びかけに、僕の心も空に溶け込んで。


「ひとりはみんなのために! みんなはひとりのために!」


頭上高く翳し合う剣先に、希望に満ち溢れた光が空から舞い降り、燦然と輝きを放つのだった。

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