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クローバーの独り言

新.三.銃.士の感想とかお話もどきを気儘に書き綴ってます。 Copyright ? 2010- Koufuu Biyori All rights reserved.

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最終回後 アラミス&王妃

先生と王妃の、水面下で火花がバチバチ散る、やり取りを書くのが好きです。

互いにコンスタンスを大切に思っているが故に、そのバトルは時に凄まじくなります(笑)
先生に真っ向から意見をぶつけられる筆頭の人物は、もう王妃しか思い浮かびません(笑)

蛇に睨まれた蛙っていうのが、王妃と先生の関係を表す一番的確な表現だと想います、個人的に(笑)

よろしかったら、どうぞ!

★Web Clapいつもありがとうございます!★

「失礼致します。銃士隊アラミス、ただいま参上仕りました」

落ち着いた声が部屋に響き渡る。
その声に僅かばかりに秘められた当惑の想いを、唯一嗅ぎ取っている人物が声を漏らす。
風もないのにふわりと揺れたカーテンが、これから起こるであろう波乱の展開を予期しているようで。

「・・・寸分の狂いもなく、指定した時刻通りに到着するのは貴方らしいと、ここは一旦褒めてあげましょう、アラミス」

片膝をついたまま深く頭を垂れている自分に対し、凛とした張りのある声が届く。
しかしその言葉の中に潜んだ気配を薄々感じ取ったアラミスは、遜りながらも王妃に対して誘いの水を向けた。
下手に誤魔化すことが出来ない相手ゆえへの牽制は、早めにするに限る。

「ありがとうございます。・・・今日お招きを預かったのは、私に対するどういった苦情でしょうか?」

アラミスの声を聞いていた王妃の右眉がすーっと上がる。
彼に先手を打たれた格好で、出鼻を挫かれた感を拭えないアンヌの表情に一瞬焦りが浮かんだがそれも瞬く間に消え失せ、代わりに威厳に満ちた表情が浮かび上がる。
優雅に扇子を揺らしていた手がパタリと止まった瞬間、部屋の中に緊張が走った。

「・・・フフ。既に臨戦態勢に入っているのね。よろしい。わたくしもまどろっこしい事は大嫌いですから、単刀直入に申しましょう。何故コンスタンスをあの男の許にみすみす返してしまったのです!?コンスタンスの想いは分かっていたでしょうに!」

覚悟はしていた。
しかし今まで誰も遠慮して面と向かって言えないことを、ズバッと核心を突いてきた王妃の言葉が胸に突き刺さる。
胸の奥に秘め続け、そっとしておくことで、いつかその痛みも少しは和らぐだろうと期待していた自分の気持ちが、王妃の言葉によって激しい痛みと共に抉り出されていく。
それは知らず知らずのうちに無意識に誤魔化そうとしていた気持ちそのものを根本から否定するものであり、同時にその問題から逃げようとしていた自分を赦さない怒りに満ち溢れていた。

「・・・」

眸を閉じ、王妃の言葉を受け止めながら、心が凄まじい勢いで分裂していくのをアラミスは気付いていた。
どう自分を弁護したところで、その事実は変わらない。
いや、自己弁護することの愚かしい意味を知っているが故に、黙り込むしか術はなくて。

「・・・黙り通すつもり?自分ひとりがコンスタンスへの愛を胸に秘めたまま、
我慢すればいいなんて、思い上がりも甚だしいわ!アラミス、それがどれだけコンスタンスを苦しめて
いるか、貴方は分かっていらっしゃるの?」

興奮して、早口でまくし立てる王妃の厳しい声が、部屋の空気を切り裂く。
目に見えない言葉の刃は確実にアラミスの心に小さな傷を作っていき、傷口からポタポタと零れ落ちる血に混じって、砕け散った心の欠片が紛れ込む。

「コンスタンスは今も変わらず、貴方を愛しているのよ?それなのに何故っ!」

「愛しているからっ!・・・コンスタンスを今も心から愛しているから、彼女がご主人の許へと戻っていった気持ちを尊重したいと願うのは、いけないことでしょうか?」

王妃の叫びを遮るようにして放たれた言葉が哀しみの色に滲む。
どうしても抗いきれない枷が心を埋め尽くした時、絶叫となって迸る。
冷静なアラミスが初めて表した真実の吐露は、アンヌに驚きを齎したと同時に彼が本当に悩みに悩みぬいて、今もなお苦悩の真っ只中にいる事実に突き当たった。
アラミスの壮絶な想いの一端に触れて、アンヌも口を閉ざす事しかできなくて。

「・・・私の言っている事は、王妃からみれば綺麗事にしか思えないことでしょう。私の自己満足と思ってくださっても一向に構いません。王妃からどんなに蔑まれ、軽侮されようとも、こういう愛し方しか出来ない、馬鹿で不器用な男もいるのです・・・」

身体を小刻みに震わせながら、言葉を載せるアラミスの声がとてつもなく冷静で淡々とした響きである事が彼のコンスタンスへの想いの深さを表しているようで、アンヌの言葉が詰まる。
何と切なく、そして何と美しい愛の形の前で、これ以上自分が出る幕はないと悟った彼女の眸に、ずっと頭を垂れたままのアラミスの身体が映る。
そしてそのアラミスをそっと包み込むようにして寄り添う、コンスタンスの幻影も。

「・・・そこまでしてコンスタンスの事を・・・。私は貴方の事をどうやら見縊っていたようです」

穏やかな声と共に、再び紡ぎ出される静かな時間。

「下がってよろしい、アラミス。・・・これからは、わたくしも貴方も互いを忌み嫌うことなく本音でお話できそうな気がします。次に逢える機会を楽しみにしているわ」

去っていく影に落ちる、光の雫。
足跡を追うようにして王妃の足元に縋りつく風は、どこまでも優しい気持ちを携えていた。

立ち去るアンヌの背中を見上げたアラミスは、また一段と深く頭を下げ続けるのだった。

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