クローバーの独り言
新.三.銃.士の感想とかお話もどきを気儘に書き綴ってます。 Copyright ? 2010- Koufuu Biyori All rights reserved.
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最終回後 アラミス&コクナール
初めての組み合わせの話です(笑)
コンスとは別の意味で、コクナールちゃんは癒しの存在だったんだろうなぁ~っていうのが、この話を書くきっかけです。
よろしかったらどうぞ!
★web Clapありがとうございます!★
コンスとは別の意味で、コクナールちゃんは癒しの存在だったんだろうなぁ~っていうのが、この話を書くきっかけです。
よろしかったらどうぞ!
★web Clapありがとうございます!★
「あのぉ~、ここで繕い物をしてもよろしいですかぁ~?」
こちらの様子を窺うようにして放たれた声が、午後の陽射しに滲む。
柔らかな光をさらに円やかにさせるような、穏やかな響きはその人の人柄そのものを表しているように思えた。
「私にはお構いなくテーブルを使ってください。遠慮なさらず、貴女のお好きなように」
言葉を紡ぎ出すと同時に、大きな笑顔が目に飛び込んだ。
それはまるで太陽の輝きにも似た、鮮やかな眩しさで。
「ありがとうございますぅ~!では、遠慮なく」
言いながらドサリと置かれた繕い物の衣服の中に、見慣れた銃士服が一枚紛れ込んでいた。
「・・・ポルトスの繕い物ですか?」
いつもなら見過ごしてしまうような些細な出来事が、急に気になることがある。
それはごく稀に起こる出来事だけれども、そういう時には大抵無意識に自分の心理が働いているのかもしれない。
・・・それが何なのか、今はまだ分からないけれど。
「はい。あの人、太ってる割にいっつもチョコチョコ動くでしょぉ~?だから、すぐに服がほつれてきちゃうんですよぉ~。この服、つい2~3日前に繕ったばかりなのに。ポルちゃんたらほっんと、落ち着きがなくって~」
目は口ほどに物をいうというのは、どうやら本当らしい。
彼女の口振りとは裏腹に、目元は僅かに緩んでいた。
最初、彼女が我々の下宿に乗り込んできた時は正直戸惑いの方が大きかったのだが、一緒に暮らし始めて彼女の大きな優しさが、いつもいつでもこの部屋を満たしているのだとすぐに気付いた。
下手をするとお節介とも取られかねない彼女の言動や行動は、実はさり気ない優しさそのものだと気付いたのはつい最近。
我々の絆の中に強引に入り込んでくるのではなく、遠くから見守りつつも、いつの間にかすっと馴染んでいたような彼女の存在に、我々は何度となく救われてきたのだろう。
「・・・いつもありがとうございます」
ごく自然に漏れでた言葉は、真実そのもの。
それ以上、どんな言葉で貴女の存在に感謝の念を述べればいいのだろう?
「私・・・何か御礼を言ってもらうような事しましたっけぇ~?」
あっけらかんと言い放つ彼女の微笑みはまるで童女のよう。
そのあどけない仕草の中に、哀しみをいくつも封じ込めて彼女は明るく生きてきたのだろうと。
・・・今ならわかる。
ポルトスが何故、彼女に惚れたのか。
そして所帯をもつまでに至ったのか。
読み掛けの本を閉じ、邪魔にならぬようそっと席を立つ。
去り際に一言、想いを載せて。
「今日の夕飯、今から楽しみです」
背中越しから伝わってくる気配で、彼女が大きく頷きながら笑った気がした。
眸に射し込んだ太陽が彼女の笑顔と重なり合って、穏やかな午後の時間に沈んだ。
こちらの様子を窺うようにして放たれた声が、午後の陽射しに滲む。
柔らかな光をさらに円やかにさせるような、穏やかな響きはその人の人柄そのものを表しているように思えた。
「私にはお構いなくテーブルを使ってください。遠慮なさらず、貴女のお好きなように」
言葉を紡ぎ出すと同時に、大きな笑顔が目に飛び込んだ。
それはまるで太陽の輝きにも似た、鮮やかな眩しさで。
「ありがとうございますぅ~!では、遠慮なく」
言いながらドサリと置かれた繕い物の衣服の中に、見慣れた銃士服が一枚紛れ込んでいた。
「・・・ポルトスの繕い物ですか?」
いつもなら見過ごしてしまうような些細な出来事が、急に気になることがある。
それはごく稀に起こる出来事だけれども、そういう時には大抵無意識に自分の心理が働いているのかもしれない。
・・・それが何なのか、今はまだ分からないけれど。
「はい。あの人、太ってる割にいっつもチョコチョコ動くでしょぉ~?だから、すぐに服がほつれてきちゃうんですよぉ~。この服、つい2~3日前に繕ったばかりなのに。ポルちゃんたらほっんと、落ち着きがなくって~」
目は口ほどに物をいうというのは、どうやら本当らしい。
彼女の口振りとは裏腹に、目元は僅かに緩んでいた。
最初、彼女が我々の下宿に乗り込んできた時は正直戸惑いの方が大きかったのだが、一緒に暮らし始めて彼女の大きな優しさが、いつもいつでもこの部屋を満たしているのだとすぐに気付いた。
下手をするとお節介とも取られかねない彼女の言動や行動は、実はさり気ない優しさそのものだと気付いたのはつい最近。
我々の絆の中に強引に入り込んでくるのではなく、遠くから見守りつつも、いつの間にかすっと馴染んでいたような彼女の存在に、我々は何度となく救われてきたのだろう。
「・・・いつもありがとうございます」
ごく自然に漏れでた言葉は、真実そのもの。
それ以上、どんな言葉で貴女の存在に感謝の念を述べればいいのだろう?
「私・・・何か御礼を言ってもらうような事しましたっけぇ~?」
あっけらかんと言い放つ彼女の微笑みはまるで童女のよう。
そのあどけない仕草の中に、哀しみをいくつも封じ込めて彼女は明るく生きてきたのだろうと。
・・・今ならわかる。
ポルトスが何故、彼女に惚れたのか。
そして所帯をもつまでに至ったのか。
読み掛けの本を閉じ、邪魔にならぬようそっと席を立つ。
去り際に一言、想いを載せて。
「今日の夕飯、今から楽しみです」
背中越しから伝わってくる気配で、彼女が大きく頷きながら笑った気がした。
眸に射し込んだ太陽が彼女の笑顔と重なり合って、穏やかな午後の時間に沈んだ。
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